PTAは不要か?廃止することのデメリットは子どもたちに影響する

PTA廃止の動きが、いくつかの小学校や幼稚園で起こっていますね。著名人や学者も声を上げていることが多く、PTAの廃止を叫ぶ声が増え続けています。とはいえ、PTAを無くしてしまう事で本当にデメリットはないのか?というのが、大きな問題です。これまで存続してきたことは、それなりの存在意義があるからではないのか?
という事で今回はPTAの必要性や廃止する方法についてお伝えしたいと思います。
PTAの不要論、廃止論が出ている背景
PTAの役割は「子どもたちの健全な育成」を学校と協力して進めていくことにあります。
長い年月の中で、そこに様々な仕事やルールが加わって今のような形になっていると考えられます。各小学校で独自に運営されて来たということもあり、学校や地域によって仕事の内容は違いますが、多くの場合、直接的に子どもたちに寄与しない仕事が増えてしまっているようです。
そういった「子どもたちの為にならないPTA活動」や「PTAの為の活動」による保護者の負担の増加がPTA不要論、廃止論に繋がってしまっているというのが、実情です。
PTAの本来の役割とは?
ここでは小学校、幼稚園におけるPTAの本来の役割ついてまとめたいと思います。
小学校におけるPTAの本来の役割
子ども達の為に小学校のPTAがやるべき本来の役割は「安全に」「健康に」「楽しく」子どもたちが学校生活を送れるように学校と協力して活動することです。
つまり、単純に保護者に負担を強いるだけで、子どもたちの為にならない活動は、全て不要という事になります。
例えば。最近、通学中の子どもに降りかかる様々な事件、事故が連日取り沙汰されていますが、通学路に旗を持って立つ行為は、まさに「子どもの安全を守る活動」で、PTAの本来の役割といえます。
幼稚園におけるPTAの役割
幼稚園は小学校とは状況がかなり異なります。
通園は基本的に親の送り迎えか、バスでの送迎ですので、安全を守る活動はそれほど負担になりません。
ただ、幼稚園では慢性的に保育士の人手が足りおらず、子どもたちを楽しませる各種イベントの企画や運営まで手が回らないという状況が起こっています。
幼稚園のPTAでは、園児を楽しませるために保護者が参加する、先生の手が回らない部分をお手伝いするというのが主な仕事になっています。 そう考えると、現在の幼稚園のPTAは小学校に比べると、かなり健全な状況と言えるかも知れませんね 。
いきなりPTAを廃止した場合のデメリット
PTA廃止が叫ばれる中、実際にいきなりPTAを廃止した場合にはどのようデメリットがあるのでしょうか。
保護者には大きなデメリットはない
きちんと話が出来るパパ友、ママ友がいる保護者には大きなデメリットはないでしょう。
会費は払わなくて良い、役員はしなくても良い訳ですから当然ですね。一部、仲が良い知り合いがいない保護者に関しては、情報収集という面で多少のデメリットはあるかもしれません。
子どもには大きなデメリットが
一方で子ども達には下記のような大きなデメリットが発生します。
・安全に通学できなくなる可能性がある。
PTAが行っているパトロールや通学時の当番が全て失われてしまうため、安全を確保できなくなる可能性があります。
・楽しみにしているイベントの多くがなくなってしまう。
学校主導であってもPTAがサポートしているイベントは少なくありません。PTAがなくなってしまうとイベントの数、質ともに低下する可能性があります。
・地域との交流がなくなってしまう
PTAでは地域との交流を行っていることが多く、それがなくなってしまう事で、各家庭で地域と交流していく必要が出てきます。保護者が積極的でない場合、地域のお祭りなどの 情報も入って来なくなってしまいます。
PTAを廃止した小学校の成功例とその方法
この小学校ではPTAを廃止してPTO(応援団のO)を組織しました。
PTAをなくしたことで、県や市のPTA協議会から脱会し、いわゆる外交を徹底的になくすことに成功しました。加えて、最近、文部科学省で推進されているコミュニティスクール(地域と学校が協力して子どもたちを育成する)を積極的に活用し、学校内に地域のリタイアした高齢者が出入りできるように改革しました。
これにより、PTAの本来の目的である「子どもたちを守る」という役割を残し、むしろパワーアップさせて、負担を大幅に軽減することに成功しました。
他校との情報交換ができないなど、デメリットはゼロではありませんが、総じて合理的で本来の役割を果たすことのできる素晴らしい改革であったと言えます。
まとめ:キーワードはコミュニティスクール
PTAを廃止した方が良いと考えている保護者が多くなっていますが、単純にPTAをなくしてしまうと、子どもたちが不利益を受けることになってしまいます。
先の事例でも紹介しましたが、保護者の負担を減らし、地域との交流、子どもたちの安全確保、健全な育成などを保つことが出来るのが、コミュニティスクールであると私は思います。実は地元の小学校でもコミュニティスクールを積極的に推進し、PTAは存在しているものの、立候補以外での役員選出はない等、保護者の負担は大幅に軽減することに成功しています。単純に廃止論や不要論を唱える前に、地域の積極的な活用などをPTA本部に提案してみるというのはいかがでしょうか?